うつ病について
うつ病とは?
うつ病は、誰でもかかる可能性のある病気です。
「気分が落ち込む」という一時的な気持ちとは違い、長い間(2週間以上)つらい気持ちが続き、日常生活に影響が出る状態です。
こんな感じかな?と思ったら要注意
- 毎日のように気分が落ち込んでいる
- 前は楽しかったことが、全然楽しくなくなった
- 眠れない、または逆にずっと眠たい
- 食欲がなくなった、または急に増えた
- 体がだるく、何をするにも疲れる
- 「自分はダメな人間だ」とよく思う
- 集中できない、決断できない
- 「生きていても意味がない」と感じる
ひとつひとつは誰にでも起こりうる変化ですが、いくつもの症状が同時に現れ、2週間以上続くとうつ病の可能性があります。
あなたの日常は?
たとえば、以前は友達と遊ぶのが楽しみだったのに「誘われても行きたくない」、勉強していても「頭に入らない」、夜になっても「なかなか眠れない」、朝起きても「体が重くて動けない」…こんな状態が続いていませんか?
うつ病は「気合いが足りない」「努力不足」ではありません。
脳の機能に一時的な変化が起きている状態で、適切な治療で良くなる病気です。
双極症(双極性障害)について
双極症とは?
双極症は、気分が大きく上下する病気です。
とても落ち込む「うつ状態」と、異常に元気になる「躁(そう)状態」や「軽躁(けいそう)状態」を繰り返します。
躁状態・軽躁状態ってどんな感じ?
- 異常に元気で、わくわくした気分が続く
- 自分は何でもできると思う(自信過剰になる)
- 眠らなくても平気だと感じる
- 次から次へと話し続ける
- 普段よりもお金を使いすぎてしまう
- 危険なことに挑戦したくなる
- イライラしやすく、ちょっとしたことで怒る
これらの状態が4日以上(軽躁状態)、あるいは1週間以上(躁状態)続くと、双極症の可能性があります。
こんなことはありませんか?
たとえば、先週まで「何もやる気が出ない」と落ち込んでいたのに、今週は「すごく調子がいい!」と徹夜で何かに熱中している。
周りからは「急に変わった」と言われることがある…このような波が繰り返されていませんか?
双極症も自分の意志でコントロールできるものではなく、脳内の変化によって起こる病気です。適切な治療で症状をコントロールすることができます。
大切なこと
- これらの症状があっても、必ずしも病気とは限りません。でも、つらい状態が続くなら、まずは相談してみることが大切です。
- うつ病も双極症も特別な病気ではありません。5人に1人は一生のうちに経験するといわれています。
- 「我慢すれば治る」ものではありません。むしろ早めに専門家に相談することで、回復が早くなります。
- 治療法はさまざまです。カウンセリングや、必要に応じてお薬による治療が効果的です。あなたに合った方法が必ずあります。
当カウンセリングルームでは
認知行動療法を中心に、あなたの気持ちに寄り添いながら一緒に回復への道を探していきます。「自分には関係ない」と思わずに、少しでも気になることがあれば、ぜひご連絡ください。
認知行動療法がうつ病・双極症にどう役立つの?
認知行動療法は、考え方や行動パターンを少しずつ変えていくことで、気分を改善する効果が科学的に証明されている方法です。
うつ病の方には:
- 「自分はダメだ」「何をやっても無駄だ」といった考え方のクセを見つけ、より現実的で柔軟な考え方に変えていくお手伝いをします
- 日常生活の中で「ちょっと楽しい」と感じられる活動を少しずつ増やしていきます
- 問題を小さく切り分けて、一つずつ解決していく方法を学びます
- 生活リズムを整え、睡眠の質を改善する方法をアドバイスします
- 再発を防ぐために、早めに気づくポイントや対処法を一緒に考えます
双極症の方には:
- 気分の変化を記録し、躁やうつの前兆に早く気づけるようにサポートします
- 生活リズムを安定させ、睡眠の乱れを防ぐ方法を練習します
- ストレスの対処法や感情調整のスキルを身につけます
- 薬物療法と並行して、より安定した日常生活を送るコツを見つけます
- 家族や友人との関係を良好に保つコミュニケーション方法を学びます
認知行動療法の良いところは、短期間(通常3〜6ヶ月程度)で効果が表れやすく、学んだスキルを自分で継続して使えるようになることです。「なぜ、こんな気持ちになるのか」を理解し、自分自身で気分をコントロールする力が身につきます。
一人で悩まず、ぜひお話を聞かせてください。