パニック症について

パニック症とは?

パニック症(パニック障害)は、突然におそってくる強い不安や恐怖の発作(パニック発作)を繰り返し経験し、そのことについて心配したり、発作が起きる場所や状況を避けるようになる病気です。

パニック発作ってどんな感じ?

パニック発作が起きると、次のような症状が急に現れます。

  • 心臓がドキドキして脈が速くなる
  • 汗が急に出てくる
  • 体が震える、ふるえる
  • 息苦しい、息が詰まる感じがする
  • 胸が痛い、締め付けられる感じがする
  • 気持ち悪くなる、おなかが痛くなる
  • めまいがする、ふらふらする
  • 体が熱くなる、または急に寒気がする
  • 手足がしびれたり、ピリピリする感じがする
  • 自分が現実にいないような、浮いているような感じがする
  • 「自分はおかしくなるのではないか」という恐怖
  • 「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖

これらの症状が突然現れ、10分程度でピークに達し、その後徐々に治まっていきます。

こんなことはありませんか?

たとえば、こんな経験をしたことはありませんか?

  • 電車や人混みの中で急に心臓がドキドキして、息ができなくなりそうに感じた
  • 授業中や友達といるときに、突然強い不安に襲われて「このまま倒れるかも」と思った
  • 一度パニック発作を経験してから、「また起きたらどうしよう」とずっと心配している
  • 発作が起きた場所(駅やショッピングモールなど)に行くのが怖くなった
  • 一人でいるのが怖くなったり、逆に人がたくさんいる場所が怖くなったりした

パニック症の特徴

パニック症の大きな特徴は、発作そのものに加えて「発作が起きることへの不安」や「発作が起きた場所への恐怖」が生まれることです。

例えば:

  • 「また発作が起きるのではないか」と常に心配している
  • 「発作が起きたらみんなに迷惑をかける」と考える
  • 「心臓発作ではないか」「本当に死ぬのではないか」と心配する
  • 発作が起きた場所や状況(電車、エレベーター、人混みなど)を避けるようになる
  • いつでも逃げ出せるように、出口の近くに座るなどの行動をとる
  • 一人で外出するのが怖くなる

このように、パニック発作を経験した後に「発作への恐怖」や「回避行動」が続くと、パニック症と診断されることがあります。

知っておいてほしいこと

  • パニック発作は命に関わる病気ではありません。とても怖い体験ですが、発作自体で体に危険が生じることはほとんどありません。
  • 「気のせい」や「気の弱さ」ではなく、体の反応として起こる本物の症状です。
  • 発作は通常、数分から30分程度で収まります。永遠に続くわけではありません。
  • 日本では100人に1〜2人がパニック症を経験するといわれています。
  • 適切な治療やカウンセリングで症状は良くなります。多くの人が回復しています。

対処法と治療について

パニック症は、次のような方法で治療していきます:

  • 認知行動療法:パニック発作とそれに関連する考え方や行動パターンを理解し、変えていく方法を学びます。
  • リラクセーション法:呼吸法や筋弛緩法など、体と心をリラックスさせる方法を練習します。
  • 必要に応じて薬物療法:医師の判断で、症状を和らげるお薬を使うことがあります。

当カウンセリングルームでは

認知行動療法を専門とする当カウンセリングルームでは、パニック症でお悩みの方に対して、一人ひとりに合った方法で支援しています。

カウンセリングでは:

  • パニック発作の仕組みを理解し、恐怖を和らげる方法を学びます
  • 呼吸のコントロール方法など、発作が起きたときの対処法を練習します
  • 少しずつ苦手な状況に向き合う練習をします
  • 不安を引き起こす考え方のパターンを見直します

「これってパニック発作かな?」と思ったら、一人で悩まずにぜひご相談ください。