不登校・登校しぶりとは?
不登校とは、学校に行きたくても行けない、または行きたくないという気持ちが強くなって、長期間(年間30日以上)学校を休んでしまう状態のことです。
また、登校しぶりは、学校に行く時間になると体の不調を訴えたり、泣いたり、イライラしたりして、登校が難しくなっている状態を指します。
これらは特別なことではなく、日本全国で多くの子どもたちが経験しています。
文部科学省の調査によると、小中学校で年間約20万人以上の児童生徒が不登校を経験しており、「誰にでも起こりうる」ことなのです。
どんなきっかけや理由があるの?
不登校や登校しぶりには、さまざまなきっかけや理由があります:
- 学校に関係する理由
- 友達関係のトラブルやいじめ
- 先生との関係
- 学習の遅れや勉強への不安
- テストや発表などへの緊張や不安
- クラブ活動でのプレッシャー
- 心や体の状態
- 朝起きられない、夜眠れない
- 疲れやすい、体力不足
- 不安や緊張が強い
- 落ち込みやすい気分
- 自信がない、自己肯定感の低さ
- 環境的な要因
- 家族関係の変化やストレス
- 引っ越しや転校
- 学校や学年、クラスの変化
- 発達の特性によるつまずき
こんな気持ちや状態はありませんか?
- 「学校に行こうとすると、お腹が痛くなったり、頭が痛くなったりする」
- 「学校のことを考えるだけで不安になる」
- 「朝になると『学校に行きたくない』という気持ちが強くなる」
- 「教室に入るのが怖い、みんなの視線が気になる」
- 「勉強についていけない気がする」
- 「学校でどう過ごしていいかわからない」
- 「友達との関係がうまくいかない」
- 「何となく学校が合わない感じがする」
- 「理由はよくわからないけど、学校に行く元気が出ない」
不登校・登校しぶりの体験
不登校や登校しぶりの状態になると、次のようなことを経験するかもしれません:
- 朝、起きるのがつらい
- 制服を着るのがつらい
- 家を出るときに動悸や吐き気がする
- 保健室なら行ける
- 学校の近くまでは行けるが、校門で立ち止まってしまう
- 欠席が増えることへの不安や焦り
- 「みんなに遅れている」という焦り
- 将来への不安
- 自分を責める気持ち
- 家族や先生の期待に応えられないつらさ
大切なこと
不登校は「怠け」ではありません
不登校や登校しぶりは、「怠けている」「努力が足りない」「わがまま」ではありません。多くの場合、本人も「行きたい」という気持ちと「行けない・行きたくない」という気持ちの間で葛藤しています。無理に押し込めば解決するものではなく、その子の心や体からの大切なサインと考えることが重要です。
不登校でも、成長は続きます
学校に行けなくても、あなたの成長や学びは止まりません。家庭での学習、オンライン学習、フリースクール、適応指導教室など、さまざまな学びの場があります。また、趣味や特技を伸ばしたり、自分のペースで新しいことに挑戦したりする時間にもなります。
回復には時間がかかることもあります
不登校からの回復は、一直線ではなく波があるのが普通です。「今日は学校に行けた」と思っても、また行けなくなることもあります。そんなときは焦らず、小さな一歩を大切にしましょう。
家族や周りの人へ
- お子さんの気持ちや体調を最優先に考えましょう
- 「学校に行かなければならない」というプレッシャーをかけすぎないようにしましょう
- お子さんのペースを尊重し、焦らせないようにしましょう
- 学校以外の居場所や楽しみを一緒に見つけましょう
- ご家族自身も無理せず、サポートを求めることが大切です
対応や支援について
不登校・登校しぶりへの対応はさまざまです:
- 学校内での支援
- 保健室登校
- 別室登校
- 登校時間の調整
- スクールカウンセラーとの面談
- 学校外での支援
- 適応指導教室(教育支援センター)
- フリースクール
- オンライン学習
- 訪問型の支援
- 専門的な支援
- 心理カウンセリング
- 医療機関での相談
- 発達特性に関する支援
- 家族支援
当カウンセリングルームでは
認知行動療法を専門とする当カウンセリングルームでは、不登校や登校しぶりでお悩みの方に対して、以下のようなサポートを行っています:
- お子さんへのサポート
- 不安や緊張の対処法を一緒に考えます
- 自己効力感を高める方法を探ります
- 小さな目標を立てて、少しずつ自信をつけていきます
- 学校以外の場での成長や学びも大切にします
- ご家族へのサポート
- お子さんへの接し方についてアドバイスします
- 家族全体のストレスマネジメントをサポートします
- 学校や関係機関との連携方法を考えます
- 家族の中での居場所づくりをお手伝いします
「学校に行けない」「行きたくない」と感じることは、あなた自身や家族にとって大きな悩みになることがあります。でも、それはあなたが悪いわけではありません。一人で抱え込まず、まずはお話を聞かせてください。
あなたのペースを大切にしながら、あなたらしい道を一緒に探していきましょう。学校に行くことだけが「正解」ではなく、あなたが安心して過ごせる場所や方法を見つけることが大切です。
ご本人だけでなく、ご家族からのご相談も歓迎しています。「どう対応すればいいかわからない」「自分を責めてしまう」というご家族の気持ちにも寄り添います。まずはお気軽にご連絡ください。