不眠症とは?

不眠症は、十分に眠る機会があるのに「眠りにくい」「眠りが続かない」「早く目が覚めてしまう」などの睡眠の問題が続き、日中の生活に影響が出ている状態です。
誰でも時々は眠れない夜がありますが、それが長く続いて困っている場合に「不眠症」と呼ばれます。

不眠症にはどんな種類がある?

不眠症には主に次のようなタイプがあります:

  • 入眠困難型:寝床に入っても眠りにつくまでに長い時間(30分以上)かかる
  • 睡眠維持困難型:夜中に何度も目が覚めてしまい、再び眠りにつくのが難しい
  • 早朝覚醒型:朝早く(予定より早く)目が覚めてしまい、その後眠れない
  • 熟眠障害:十分な時間眠っても、睡眠の質が悪く「ぐっすり眠れた」と感じられない

こんな悩みはありませんか?

  • 「布団に入っても、なかなか眠れない」
  • 「頭の中でいろんな考えがぐるぐる回って、眠れない」
  • 「夜中に何度も目が覚めてしまう」
  • 「朝早く目が覚めてしまい、そのあと眠れない」
  • 「十分に寝たはずなのに、すっきりしない」
  • 「明日眠れるかどうか心配で、余計に眠れなくなる」
  • 「眠れないことがストレスになっている」

不眠による日中の影響

不眠が続くと、日中にこんな影響が出ることがあります:

  • 疲れやすくなる
  • 集中力が低下し、勉強に身が入らない
  • イライラしやすく、ちょっとしたことで怒りっぽくなる
  • 物事を忘れやすくなる
  • やる気が出ない、何をするのも面倒に感じる
  • 頭痛や体の痛みを感じやすくなる
  • 不安や落ち込みを感じやすくなる
  • 授業中にうとうとしてしまう

あなたの生活を振り返ってみましょう

次のような習慣や状況が不眠の原因になっていることがあります:

  • 就寝時間や起床時間が日によって大きく違う
  • 休日に平日より何時間も長く寝ている
  • 夕方以降にカフェイン(コーヒー、お茶、コーラなど)を摂っている
  • 夜遅くまでスマホやゲーム、テレビなどの画面を見ている
  • 部屋が明るすぎる、騒がしすぎる、暑すぎる、寒すぎるなど
  • 勉強や部活、人間関係などでストレスを感じている
  • 寝る前に心配ごとや翌日の予定を考えてしまう
  • 「今日も眠れないかも」と不安になっている

不眠症の特徴

不眠症の大きな特徴は:

  1. 頻度:週に3回以上、眠りの問題がある
  2. 期間:問題が3ヶ月以上続いている
  3. 影響:日中の活動や気分に明らかな影響がある
  4. 機会:十分に眠る時間や環境があるにもかかわらず眠れない
  5. 悪循環:「眠れない→不安になる→さらに眠れなくなる」という悪循環に陥りやすい

知っておいてほしいこと

  • 中学生でも不眠症になることはあります。実は思春期は睡眠の問題が起きやすい時期です。
  • 適切な睡眠習慣と対処法で、多くの不眠症は改善します。
  • 一晩くらい眠れなくても、体に深刻な影響はありません。「眠れない」ことを過度に心配すると、かえって眠りにくくなります。
  • 睡眠時間は人それぞれです。「8時間睡眠が必要」というのは誤解で、7時間前後でも十分な人もいます。
  • 思春期には体内時計が変化し、夜型になりやすい生理的な変化があります。

対処法と治療について

不眠症の治療には主に次のような方法があります:

  • 睡眠衛生指導:良い睡眠習慣を身につける方法
  • 認知行動療法:眠りに関する考え方や行動パターンを見直す方法
  • リラクセーション法:体と心をリラックスさせる方法
  • 必要に応じた薬物療法:医師の判断で一時的に薬を使うこともあります

良い睡眠のためのヒント

  • 規則正しい生活リズムを作る:毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝るよう心がける
  • 朝日を浴びる:朝起きたら太陽の光を浴びて、体内時計をリセットする
  • 夕方以降はカフェインを避ける:コーヒー、お茶、コーラなどを控える
  • 就寝1時間前にはスマホやゲームを止める:ブルーライトは睡眠を妨げます
  • 寝る前のリラックス習慣を作る:温かいお風呂、読書、深呼吸など
  • 寝室は睡眠のための場所にする:勉強や遊びは別の場所で行う
  • 眠くなってから寝床に入る:眠くないのに長時間布団で過ごさない
  • 眠れないときは一度起きる:20分経っても眠れなければ、一度起きて別のことをする

当カウンセリングルームでは

認知行動療法を専門とする当カウンセリングルームでは、不眠症でお悩みの方に対して、睡眠の専門的な知識に基づいたサポートを行っています。

カウンセリングでは:

  • あなたの睡眠パターンや生活習慣を詳しく理解します
  • 睡眠の記録をつけながら、問題点を一緒に見つけていきます
  • あなたに合った睡眠習慣の改善方法を提案します
  • 眠りを妨げる考え方(「絶対8時間眠らないと」など)を見直します
  • リラクセーション法や呼吸法など、実践的な技術をお伝えします
  • 必要に応じて、睡眠の専門医と連携します

「夜、なかなか眠れない」「朝スッキリしない」という悩みがあれば、ぜひご相談ください。睡眠の問題は他の心身の不調にもつながりやすいため、早めの対応が大切です。

良質な睡眠は、学校生活や社会生活、そして日々の健康にとても重要です。一緒に、あなたに合った睡眠リズムを見つけていきましょう。眠りの質が良くなると、日中の活動や気分も驚くほど変わることがあります。